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SISTERS@新潟

Img_0549 2008年8月14日(木)

りゅーとぴあ 1列10番台前半









「鋼太郎さん嫌いになっちゃうかもよ~」

とは東京公演を見た友人からの感想。
実はいままで長塚作品は敬遠してきました。
作品に虐待の匂いがするからです。
でも今回、新潟で5回公演もあるし、途中で観客が帰っちゃう人もいるくらいの長塚作品に、なぜ出たがる役者さんたちが多いんだろうと、ちゃんと見てみようと思いました。

舞台は信助のイトコ三田村の経営するホテル。馨(松たか子)は料理人の夫尾崎信助(田中哲司)とともにやってくる。ホテルの主人で料理を切り盛りしていた三田村の妻が亡くなったのだ。そこには三田村の妻の兄 神城礼二(吉田鋼太郎)と娘のみどり(鈴木杏)がホテルの1室で10年前から暮らしていた。
みどりが馨に興味を持って、近づくことにより、馨の暗い過去が引きずりだされていく。
父と娘の禁断の関係。馨は自分の体験から、みどりを救おうとするが、次第に馨は昔の記憶の闇へと引きずりこまれてゆく。

とにかく松さんの演技がすごかった!狂気の表情、身体ごとぶつかってたてる音、この人連日こんな演技して大丈夫なんだろうかと心配になるほどでした。

鈴木杏ちゃん、自分のしてることがいけないことだとは感じながらも、肯定してほしい。そして誰かに助けてほしい、相談したい、と必死に願う女の子でした。そして女子高生姿、これがかわいかったあ~。

吉田鋼太郎さん、ブログ最初の友人の一言。これって役者さんにとってはすごい褒めことばですよね。

三田村役の中村まことさん。礼二との関係を知って、みどりに付け入り関係を強要するいや~な、こすっからいオヤジ役、ハマってました~。

田中哲司さん。唯一『普通の感覚』を持った信助。馨の神経症的行動にも戸惑いながら、あくまで受け入れる夫。よかったです~。

うまく言葉にできないんだけど、セリフが奥深いです。
よくぞここまで言葉をみつけられるものだと、感心してしまいました。
精神を病んだ馨やみどりと、そうでない普通の感覚の時と、思いやりや慈愛を持った人たちとのセリフの絶妙なバランス。
すべてが狂気にひきずりこまれるのではなく、ちゃんと『普通の感覚』を持った人がふんばり、共感できる部分もありました。
そして最後の過去に引きずりこまれてしまった馨に、信助の「おうちに帰ろう」一言が救いでした。
信助がいなければ、ただただ重苦しく、行き場のない感情を抱えて劇場を後にしなければならなかったでしょう。

現実と過去の行ったりきたりの交錯が、違和感ありません。
いままでホテルのドアが開いていたのに、一瞬にして見えなかった奥の洗濯物が見えるシーン。
ラストの場面で舞台に水が溜まってきて、水の流れにのって曼珠沙華の花も流れて水面を埋め尽します。この場面もうすこし上からの席で見たかったです。そしたら曼珠沙華がもっと効果的に見えたかも。

水は役者さんの膝下くらいまでたまります。水に反射した照明が壁や天井に反射して揺らぎます。壮絶な場面のはずなのに、役者さんが動く水音や水のゆらぎになぜか心地よささえ感じてしまっていました。
見終わった後、嫌悪感を持つどころか、もう一度見たいとまで思ってしまいました。
こんなギリギリのお芝居を作れる長塚圭史さんはまだ33歳。
役者さんたちが出たがる気持ちもなんだかわかったような気がしました。

ただね、開演前にロビーに小学校低学年の女の子とお母さんを見かけました。え~!?まずいだろ~!と思ってたら、途中で帰っちゃいました。きっと内容を知らず、松さん、杏ちゃんが出るからってチケット買ったんでしょうね。ちょっとかわいそうでした。

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