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十五代目片岡仁左衛門 最後の 『女殺油地獄』

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歌舞伎座さよなら公演 六月大歌舞伎

『女殺油地獄  おんなごろしあぶらのじごく』 

片岡仁左衛門 一世一代にて相勤め申し候

6月14日(日) 昼の部  1階11列11番

23歳の放蕩息子、与兵衛を演じるには年を取り過ぎたと数年前に封印された仁左衛門さんの当たり役。歌舞伎座さよなら公演にあたって、もう一度見たいとファンの声に応えて、本当にこれで最後と封印を解いてくださいました。

『当たり役』とはこういうことを言うのかsign03

強烈に全身から匂い立つ色気。
登場から最後まで、姿、表情、動きに目が放せませんでした。

初めて生写真というものを買ってしまいましたわlovely

あらすじをかいつまむと、油屋の放蕩息子与兵衛は働きもせずいつも遊び歩いて揉め事を起こしては周囲を巻き込む厄介者。悪徳サラ金から借りた金の返済が今日締めだが、親からは勘当されて、頼み込んだのは近所の同業油屋の若妻お吉。お吉は以前から与兵衛の両親にも頼まれてなにかと親切から与兵衛を気遣っていた。亭主は留守で借金をお吉に頼み込むも断られ、思いつめた与兵衛はお吉を殺して店の金を奪って逃走する。

とにかく身勝手で甘えた考えの与兵衛。親切にしていたがために逆に悲劇を招いてしまうお吉の事件は今と相通ずるものがあります。

仁左衛門さん(私には孝夫さんのほうがしっくりくるのですが)の与兵衛は絶品でした!
説教の最中も髪型を気にしたり、頬づえついて足をばたつかせたり、計算する気もなくそろばんをはじいたりとにかく右から左へうけ流す今どきのおにいちゃん。

勘当されてゆくあてもなく途方にくれて花道をとぼとぼ憔悴しきって歩いてくる姿がこのポスター(篠山紀信撮影)のシーンです。ぞくぞくします。

お吉に「不義と夫に疑われ」と親切で与兵衛に関わったことがろくでもない誤解を招くと言われれば、「いっそ本当に不義の仲になって金を貸してくれ」とむちゃくちゃな論理で借金を迫るところから与兵衛の表情が凄みを増してゆきます。油が倒れ暗闇でお吉のほどけた帯をつかみ、たどってゆく時のまるで楽しむかのような不気味な笑顔にすら色気があるのはすごいです。

孝太郎さんの年上で面倒見がよく分別のあるお吉、仁左衛門さんとの共演で遜色なかったです。

仁左衛門さんの息子孝太郎君がお吉、孫仙之助君がお吉の娘役で親子三代のりっぱな共演でした。

とにかく最後の仁左衛門の女殺油地獄を見れてよかったです。
御年65歳ですが、まだまだ若々しくこれで封印なんてもったいないです。でもこういう美しく華のあるうちの引き際がいさぎよくてステキなのかもしれません。リピートしたいです!
でもさすがにもう歌舞伎座に行く時間はありません。テレビで放送されるそうです。録画して保存版にしなくては。

この日の公演は某着物学院同窓会と称してのお着物軍団が一等席の最後列5列を占め、さらに本物の舞妓さん芸妓さん軍団もいて、客席とても華やかでした。芸妓さんの普段着っぽい着物姿は格がぜんぜん違います。なんであんなに美しいのでしょう。やっぱり歌舞伎座にお着物っていいですね。

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コメント

ああ、いいなぁ、この写真!
拝読していて、私も歌舞伎を見たくなりました。

投稿: カトリーヌ | 2009年6月21日 (日) 00時01分

舞台も客席もきらきら~それは見応えありそう!そうですわねえ~かつて玉三郎さまと孝夫さまの透き通るようなベストカップルをテレビで拝見して倒れそうになりました。この世のものとは思えぬ魂を抜かれそうな舞台を観てしまったら現世には戻れそうにありません。ああ、同じ時代で息をしていたことすらも誇れそう。ましてや貴重な舞台を観ることができたネコさま・・・うらやましゅうございます。

投稿: 酔いどれ天使 | 2009年6月22日 (月) 10時35分

>カトリーヌ様
いいですよね~、この写真。やっぱり紀信さんの写真ってなんか違いますよね。
玉三郎さんの紀信さんが取った写真集ありますよね。欲しいです~。

>酔いどれ天使様
孝夫&玉三郎のベストカップル。その頃に見ていたらと後悔することしきりです。
見ているだけで幸せになれる美男美女って世の中に必要だと思います!

投稿: なまけ猫 | 2009年7月 6日 (月) 17時32分

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