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広島に原爆を落とす日

Pic_index_10_hiroshima つかこうへい追悼公演となってしまった

『広島に原爆を落とす日』

原爆記念日の8月6日に幕を開けました。

2010年 8月7日18時 1階XB列15番

よくぞこの作品を上演すると決めたものです。
よほどの覚悟がないと、生半可なものではたたきのめされる結果になることはわかっているからすごいと思いました。

「2010年現代。殺人の罪を着せられ広島刑務所を5年ぶりに出所した山崎(筧利夫)のもとに、当時の担当刑事猪熊(武田義晴)が姿を現す。「事件はまだ終わっていない」と。山崎が5年前に調べていたのは外務省の密約文書。「広島に原爆を落としたのは犬子恨一郎(いぬこはんいちろう)という日本人である」と。
1945年広島 髪島に住む髪一族は卑しい身分の泣き女の一族であり、また間諜の一族でもあった。髪一族の末娘・百合子(仲間リサ)はドイツに向けて出港した。その任務はヒトラーにアメリカに宣戦布告させること。また原爆が完成した時には、ドイツ落とさせるよう工作すること。
百合子と恨一郎(筧利夫二役)はかつて愛し合い夫婦になる約束をした仲だった。」

つかさんはこの芝居の稽古の初日にお亡くなりになったそうです。

いままでつか芝居を知らなくて追悼公演になっちゃったから見てみようかって劇場に足を運んだ人は登場人物のありえない設定や差別的暴力的なセリフの数々にびっくりするかもしれません。
でもその中に弱者に対して、愛する者に対しての優しさがあるんです。

開演前に流れていたのは70年代の歌謡曲。そして『シバの女王』が流れてきました。オープニングにこの曲を使うなんて・・・!そうナチチャコパックファンにはたまらない曲です。違う意味でのっけから涙してしまいました。

なんといっても圧巻は筧さんでした。燃え立つような迫力でした。ミス・サイゴンのエンジニアとはまったく違う面をみせてくれます。というより、これが私が見たかった筧さんでした。
武田義晴さんも欠かせない存在。
清家利一さんのアクションは相変わらず美しかったです。
山本亨さん、以前はキレのあるアクションを魅せてくれましたが、今ではすっかり貫禄がつき、ものすごい渋さと存在感でした。

ヒロインの仲間リサちゃんはまだまだ素人同然でしたが、つか芝居のヒロインに求められる一目で異性を引きつける華は充分。

そのほかのキャスト陣にもそれぞれ胸をうつセリフがたくさんありました。どんな小さな役にも見せ場を作る。つかさんのスタンスですね。

1時間50分休憩なしのノンストップ。終盤の犬子恨一郎の戦争への思いが語られる場面には引き込まれました。

そしてカーテンコール。誰もいないステージにただセンターにスポットライトがあたっているのを見たとき、涙をこらえることができませんでした。

東京公演、あと2回行きます。

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